何も考えずにただただギャグ漫画で笑いたいって時にぴったりな漫画を紹介したい。
そしてギャグ漫画を読んでいるとギャグの内容がぶっ飛びすぎていて作者様の頭の中を見てみたくなることがある。
「どうやったらこんなの思いつくんだ」と言った単純な好奇心であったり、「この人狂っているんじゃないだろうか」と心配になったりもする。
今回紹介したいのもそんな漫画だ。
『+チック姉さん』(プラスチック姉さん)栗井茶による今なおヤングガンガンで連載中の漫画である。
登場人物がほぼ全員狂っているという狂気溢れる漫画
狂っているという表現はあまり適当ではないかもしれない。
何にしろまともではない。
この作品の主人公はその名の通り『姉さん』であるのだが、その姉さんを中心に主に話の中心となる女子生徒3人は模型部に所属している。
そして、姉さんを含めその3人は頭にプラモデルを乗せている。
姉さんは城、オカッパと呼ばれる女の子は電車の、マキマキと呼ばれる女の子は戦車のプラモデルを頭に乗せている。
だがしかし、そのプラモデルを頭に乗せていることについての説明は一切ない。
さらに言えばそのプラモデルには中に時折、小人がいる(住んでいる?)しかし、これについての説明も一切ない。
頭にプラモデルを乗せている時点でそもそも主要人物達がまともではないことがわかっていただけると思う。
姉さんに関してはとにかくウザい、そのウザさが面白いのだが、主人公からしてこんなにウザいキャラクターを私は他で見たことがない。
この3人以外にも個性豊かすぎるキャラクターが数多く登場するのだが、まともなキャラクターはほんの一握りである。
そして登場人物達はとてもかわいらしいのだが……。
実にかわいらしい絵柄なのだ。だがそのかわいらしさとキャラクター達の内面性の酷さが非常にミスマッチしている。
非常にかわいらしい一方で頭がオカシイというのがまた面白い。
例えば、よく話題になるのが『美しさの人』と呼ばれる女子生徒や『国木』という男子生徒である。
特に『美しさの人』回は人気があり、私も大好きだ。
何故なら登場するだけで不思議と笑えるからだ。
『美しさの人』は名前の通り美しさを極めているのだが実際にはぽっちゃりして膨らんでいる顔で美しくない。
それでも自分を最高に美しいと思い込んでいるので、姉さんを挑発したりする。
他にも
なぜか木の幹に住んでいるおじさん、パワータイプの市長(パワータイプの市長ってなんだよ)などなど。
そんな数多くの狂った個性が強烈なキャラクター達でこの漫画は溢れている。
決して説明されることのない不条理
そしてその狂った行動群にツッコミを入れるキャラクターが少ないためツッコミがあまり挟まれない。
ギャグが連発されまくりで手が付けられないことになっているのに最後には不思議なことにストン、と収まり綺麗に終わる。
ノリと勢いが半端ではないしそこに作者は情熱を燃やしているのがわかる。
何度でも言うがこの作品にはまともな登場人物がいない。
だからこそ生まれる不条理な数多くの渾身のギャグを確かめて欲しい。