いつでも今日が、一番楽しい日でおなじみの素晴らしい日常漫画(よつばと)

いつもいつも難しかったり堅苦しい漫画を読んでいると疲れたりもする。

そんな時にはほのぼのとして、でもどこか独特で、元気よく面白い、そんな漫画が読みたくなる。

『よつばと』(あずまきよひこ)はそんなまさしく雰囲気の作品である。

なにもない、がある日常風景を伸び伸びと描く日常漫画

『よつばと』は表情豊かで元気いっぱいの子どもらしい子ども、「よつば」とその「とーちゃん」と周りの人々の日常を描いた作品である。

よつばは何気ない日常の中にあるふとした新たな発見に目を輝かせる。

そして周りの登場人物もそんなよつばに色々なことを教えたり、一緒になって楽しもうとする。

この作品に登場する人物はみなうらやましいくらいに楽しそうである。

まさにキャッチコピーの通り『いつでも今日が、一番楽しい日』な作品だと思う。

登場人物達の楽しげな雰囲気は、この作品をとても明るくしている。

そして独特な子どもの感性の豊かさを本当に上手く出していて、子どもらしい動きも細かいコマ割りなどで表現されている。

それは作者拘りの『間』や『空気』を生み出していて、それが非常に面白い。

何気ない平凡なことを違う視点から見ることで面白くしたまさに究極の日常系漫画である。

なんと言ってもネガティブな要素が何もないことが良い。

山あり谷ありじゃなきゃ面白くない!という人はいるかもしれないが、私はそんなことはないと思う。

何か大きな事件が起きて、その解決に奔走している間になんやかんや。物語というのは、大抵がそう言ったものである。

たまにはなんの事件も起きず、ただただゆったりとした雰囲気が流れている物語がたまにはあってもいいはずである。

そこでは誰もが楽しそうにしていて、何か暗い気持ちになる出来事なんて起こらない、平凡だけれど幸せだ。

そんな生活の中で登場人物達が何を思うのか、よつばが何を感じたのかということを繊細に描いている。

そしてよつばの変わった言い回しだったり、他の登場人物の反応に思わずクスりとさせられる。

作中の雰囲気がなんともほのぼのしているのが癒されポイントである。

平凡故にリアリティがある日常風景なのだが、どこか絵本を読んでいるような気にさせられる、不思議な雰囲気もこの作品の魅力である。

ここまでほのぼのとさせられる作品は他にないんじゃないだろうか。

とーちゃんのよつばに対する普段は割といい加減だけれど、ちゃんとケジメのついた教えだとか。

周りの大人達も子ども相手だから子どもの目線になって接しているけれど、たまに少しいじわるするだとか。

よつばがどこで覚えてきたのかわからない言葉を使って得意げになるだとか。

色々な細かな点にも不思議な雰囲気が合わさって、清涼感のある面白さを感じる。

ただふわふわと流れていく日常の雰囲気がとても愛おしい漫画である。

この独特な雰囲気、世界観はなんとも説明が難しいが、読んでみてもらうとすぐに感じ取れると思う。

そして、この雰囲気はとても癒される、疲れていて癒されたい時なんかにも。

男女共に万人にこの作品をおすすめしたい。