時折、とんでもなく胸糞の悪くなる作品を読みたくなるのは私だけだろうか。

もちろん基本的には物語はハッピーエンドであることが望ましいと思う人の方が多いだろう、私もそう思う。

それはハッピーエンドのほうがスカッとするし、読み終えた後に気分も良くなるからだ。

けれど甘い甘い幸せな話ばかりを目にしているとたまには刺激も欲しくなるものである。

そこでおすすめしたいのが三浦建太郎の『ベルセルク』だ。

まさにダークファンタジーの金字塔

中世ヨーロッパをモチーフとした剣と魔法の世界。つまりファンタジー作品である。

ファンタジーと言ってもダークファンタジーで、身長を超えるほどの鉄板のような剣を持つ剣士ガッツの復讐の旅を描く物語である。

緻密に書き込まれた重厚感のある人物から背景に至るまでの描写や登場キャラクターの感情面を上手く表現している点が凄まじい。

主人公であるガッツの感情表現はその画力、ダークっぷりを持って読んでいて気圧されるほど。

そしてこの作品、なんと1989年からの連載という長期連載作であり、今なお根強い人気を誇っている。

2002年には第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞も受賞しており、その人気の高さが伺える。

簡単なあらすじ紹介が以下である。

この物語はガッツがタイトルにもあるように狂戦士の如く『使徒』と呼ばれる怪物と戦いを繰り広げるところから始まる。

そして、その理由としてガッツの生い立ちから仲間達との出会い、そしてなぜ復讐の旅に出ることになったのかを描く黄金時代編が3巻から描かれる。

ここからしばらくガッツが入団した傭兵団の仲間達との生活が描かれており、ガッツの成長や、周りを取り巻くグリフィスを始めとしたかけがえのない仲間たちを得たことを描かれている。

そして、ある事件が起き、ガッツが復讐の旅の時系列が戻るのだが……。

圧倒的な重厚感と圧倒的な絶望感がこの作品を語る上でよく話題になる部分である。

その圧倒的な画力が高く評価される『ベルセルク』であるが、その画力で描かれる戦闘の描写はすさまじい迫力だ。

これだけでもぜひ読んでみて欲しいくらいだ。きっと続きが読みたくなる熱がそこにある。

そして上のあらすじ紹介少し書いたが黄金時代編が本当に面白い。

王道的ではあるものの、主人公が段々打ち解けていく感も相まってとても面白い。

そうなるに至るまでの過程の表現も上手ければ、そこに登場する多くの人物の細部に至るまでの描き込みっぷりにはすごいの一言。

そしてダークファンタジーならではの絶望感。

しかし、その描き込みっぷりがすごすぎることで一部ネットなどでは作者の過労が心配されている。

未だに完結しておらず、完結するのかもファンから心配されており、かくいう私もその一人である。

上げてから落とす。などといったダークファンタジーの醍醐味をありありと魅せてくれるダークファンタジーの金字塔とも言える『ベルセルク』

ぜひとも今からでも読んでほしい。

読み終えたなら多くのファン達と気長に続きを待とう。