料理漫画と言えばいろいろありますし、そのどれもが本当においしそうに描かれますよね。

グルメ漫画というジャンルを確立させたことで有名な『美味しんぼ』

記憶に新しいところですと映画になり大人気の『深夜食堂』やドラマ化してこれまた大人気な『孤独なグルメ』『花のズボラ飯』などなど。

本当に数多くの料理漫画があり、その数だけもちろん膨大なレシピも生み出されましたね。

でもなんだかんだ難しそうだったり「これ家で簡単にできるのか?」みたいなのも少なくないです。やはり、読んでると作って食べてみたくなりますよね。

そこで今回紹介したいのが『くーねるまるた』高尾じんぐによるグルメ漫画です。

“もったいない”っていい響き

さてこの『くーねるまるた』なのですがメインコンセプトが食事にあまりお金をかけないことなのです。

ということで紹介された料理レシピを実際に私もいくつか作れました。美味しかったです。

この漫画は全体的に質素なのだけれど楽しそうな雰囲気です。

料理人が一生懸命料理のどうこうを言う漫画ではなくふんわり日常物で、料理人ではなく一般人が料理を作ります。

そしてお金がないから手間をかけて美味しいものを、さらにその手間を楽しむ様子はとても楽しげでこの漫画の面白さの一つでしょう。

時には食べ終えた夏みかんの皮をマーマーレードにしたり、カニは高くて手を出せないからザリガニを釣ったり、スキンケアのローズウォーターを作ったり……と。

様々なエピソードに知恵が盛り込まれています。

『くーねるまるた』の主人公はタイトルの通りマルタというポルトガルからきた女性。

この漫画をおすすめしたい点として、主人公のマルタがとてもかわいらしいこと、これやっぱり結構重要です。

日本に留学に来たけれど日本が気に入ってしまい、そのまま日本に留まって過ごす物語なのです。

マルタにはお金がないしボロボロのアパートで貧乏生活を送るわけなのですが、貧乏を苦にせずとても明るい生活を送っています。

そのマルタの楽しそうな日々が読んでいるこちらを元気にしてくれます。

マルタがポルトガル出身ということもあり向こうの料理もよく出てきます。

そして出てくる料理のほとんどは家庭的な料理ばかりと、とても優しい漫画です。

作中ではその料理の元となったり、ゆかりの地になっている文学作品が多く紹介されます。

それは絵本だったり小説だったりと、多くの魅力的な本達の内容を登場人物の心情を含めて描かれているのですが。

それがとてもとても素敵なのです。

この作品を読むと私は無性に図書館へ行きたくなります。そして紹介された絵本が読みたくなります。

実際に読んで久々に図書館に行った人もきっと少なくないはずです。

グルメ漫画なのですが料理がでてこない回もあります。

美味しそうに食べるマルタがかわいく描かれているのでそれがないと寂しくもあるのですが、

それもまた食べ物の話だけでなく他の登場人物達と和気あいあいと楽しそうな日常で、和むお話になっています。

落ち込んでいる時なんかにこの『くーねるまるた』おすすめです。